発足にあたって


「子どもがセンター(どまんなか)」の財団をつくろう!

「子どもの貧困対策センター」設立

 ファウンダー(創設寄付者) 1口千円・1千万円募金受付中!

 
 「6人に1人の子どもが貧困って本当??」、「離婚して貧困なんて親の責任でしょ!」、「親の収入が少なくて十分な教育が受けられないのは仕方ないのでは」…。
そんな声があちこちから聞こえてきます。しかし、子どもは親や家庭を選べません。貧困世帯の子どもが大人になったとき、社会を支える人になるのか?社会から支えられる人になってしまうのか?少子高齢化が深刻になる日本。貧困世帯の子どもたちを社会全体で育んでいかなくてはなりません。
2009年、「子どもの貧困対策法」の制定を、と初めて訴えたのは、あしなが育英会の学生でした。2013年6月には、衆参両院ともに全会一致で法律が成立し、昨年8月には、具体的な施策などをまとめた大綱が制定されました。そして今年4月2日には、安倍総理はじめ各閣僚、経済界、労働界、マスコミ、支援団体の代表が首相官邸に集まって、子どもの貧困対策をすすめる集会が開かれました。いまこそ「子どもの貧困対策センター」の設立が必要です。それは、なぜでしょうか。

①子どもの貧困の実態を徹底的に「見える化」し、具体的・建設的な提言をすることが必要
②子どもを支える組織や人をしっかり支えることで、全国各地で充実した支援体制の確立が必要
③支えられた子どもが支える側にまわれるような社会全体で子どもを育む仕組みの拡大が必要

つまり、①調査・研究によるデータなどに基づいた政策提言、②全国の支援団体の活動が持続し発展できるような支援団体への中間支援、③子どもたちの自立のために物心両面での子どもたちへの直接支援、の3本柱を担う「子どもの貧困対策センター」を創設したいと考えています。
そして、新組織の大きな特徴は、子どもがど真ん中・「センター」のポジションとして、孤立し声を出せない子どもの声も大切にする運営を目指します。子どもを代表して学生が理事などの役員になり、子どもの声を直接、理事会などで発言できる組織にしたいと考えています。「子どもの貧困対策センター」は当面の団体名で、子どもが親しみをもてる別の名称も検討します。
新組織は、「子どもの貧困対策法」成立から満2年になる今年6月には、財団法人としての設立を目指し、年内には寄付金控除が受けられる公益財団法人への移行を目標に準備をすすめます。
今年度から子どもたちへのなんらかの経済的支援やキャンプも実施したいと考えています。
「ファウンダー(創設寄付者)になってください!1口千円・1千万円募金」を呼びかけています。財団設立後、ご寄付者のお名前を新財団ウエブサイトに掲載する予定です(お名前非公開の方を除きます)。〈詳細は、こちらのページへ〉
まだ光のあたっていない子どもたちにも、一人でも多く光があたるようにと心から願っています。子どもたちへの応援メッセージと共にご寄付を賜れれば幸甚です。よろしくお願い申しあげます。


真っ暗闇のトンネルに閉じ込められている子どもたちに光を

        代表 小河光治

私の8歳の誕生日に、父は交通事故に遭い、その後、寝たきりの植物状態でした。中学2年のとき、母は「もう一家心中しかない」と追い詰められました。「なんでこんなひどい目にあわなければならないんだ」。声を押し殺して泣いた夜をいまも忘れることができません。そして、私が中学3年の夏に父は他界。事故から7年と100日後でした。
一度は進学をあきらめましたが、「あしながさん」のご支援で奨学金を借りて、私も3歳下の弟も高校・大学に進学できました。中学までは「大人は自分のことしか考えてないんだ」と信じられませんでした。しかし、街頭募金で多くの方々に温かい言葉とともに多くのご浄財をいただくなど、見ず知らずの私を「見て見ぬふりはできない」と温かい心で育てていただきました。
卒業後26年間勤務した「あしなが育英会」でも、学びの連続でした。とくにこの3年間は、遺児の学生たちとともに子どもの貧困問題に深く関わりました。「子どもの貧困対策法」の成立や大綱策定のためにご尽力いただいた方々に心から感謝しています。しかし、課題は山積しています。
どんなに苦しくても、つらくても、悲しくても、声をあげたくても声をあげることができない子どもがあふれているのではないでしょうか。将来の夢や希望も持てず、「ひとりぼっちだ」とふさぎ込んでいる子どもたちが、あちこちにいるのではないでしょうか。
私には夢があります。すべての子どもたちが、大人になったときに、人並みに幸せな暮らしができるようになってほしい。どのような家庭に生まれても。育っても。
真っ暗闇のトンネルに閉じ込められている子どもたちに少しでも光を与えたい。「ひとりぼっちじゃない」、「夢や希望を持ってもいい」と感じてほしい。そして自分の足で人生を歩きだしてほしい。
肌で痛みを感じてきた子どもたちをしっかり支えて社会みんなで温かく育めば、貧困の連鎖を断ち切るだけではなく、自分だけではなく周囲の人も幸せにできる人に育つと確信しています。
お一人おひとりの温かい思いと行動が、一人でも多くの子どもたちの明るい未来につながります。私たちと一緒に歩んでいただけませんか。心からお願い申し上げます。


すべての子どもたちが安心して豊かに育つことができる社会に

   副代表 村井琢哉

「山科醍醐こどものひろば」で子どもたちと晩ご飯を食べはじめて5年。
子どもの貧困という社会問題の認知を高めることと、地域のなかで出会った子どもたちの声を聞きながら生活や学び等の支援を多くの支援者の方々のご厚意と、ボランティアのみなさんによるお力添え、そしてスタッフが力をあわせて行ってきました。子どもの貧困対策としてひとつアクションをはじめれば、次の課題が見え、さらなるアクションとスタッフたちが試行錯誤によりひとつずつカタチにしてきました。
直接的な活動の場だけでなく、学校や地域の公共機関、福祉施設などとも連携し、ひとりでも多くの子ども、家族と関われるようにと活動をしていますが、実際にはまだまだごくごくわずかなアクションです。しかし私たちのアクションをみて、「私たちの地域でも」と思ってくださる方や、「活動を始めたがよりよくしたいから教えてほしい」など多くの活動する方々の声が年々集まり、実践も増えてきている実感もあります。
そのような子どもの貧困対策の萌芽期にあらたに私たちができることは何であるか。これまでの実践を伝えることと、活動者を通じて多くの子どもたちや家族の声を集め、社会に伝え、すべての子どもたちがよりよく安心して、豊かに育つことができる社会にしていくことだと思います。
これまでも子どもの貧困という問題解決のために多くの方々が実践を生み出し、またつながりアクションをされてきました。その開拓された土壌に今たくさんの芽が出ています。このセンターを通じ、これからこの芽が素敵な花をさかせ、実をつけ、多くの子どもたちの笑顔が溢れるように、栄養を送り届けることができるように頑張っていきたいと思います。